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「 灯台へ 」


   突堤に向かえ
   漆黒の夜にあらがうあかりがしるべ
   ひとりピルエットを躍りつづける
   その旋回の軸心に

   身を切る波のその足もとに休みなく散りしぶくことだろう
   岩礁にたたずむ体躯の濡れそぼり乾くいとまはないだろう
   厳しい寒風はあやめもわからぬ視界を凍らせることだろう
   まっすぐにさしのべる白い腕の闇に溶け入るばかりだろう

   すべての波は重い
   すべての流れは疾い
   すべての海峡はむごく切り裂かれ
   すべて航行するものはどこまでも脆く頼りない

   その佇まいは必ずひとり寡黙だろう
   なぜここに位置するかと自問しないだろう
   昏く閉ざされて行き交い行きくれるもののまことのために
   それはただただ朴訥に遠い距離をのみ示してあろうとするだろう

   暗澹とうなる夜の海にさしのべる明かし
   自らの位置からはうかがえぬ実在への暖かな表示
   いくつもの秘話をのみ込みいくつもの過誤をさえ篝火とし
   そこに違(たが)わぬ行方あるを顕す

   そこに突堤がある 
   そこに終わりない旋転が
   そこには見出すべき方位が
   そこには見つめるべきあかりがある



                   -2019.01.01(改)

# by gerige-poem | 2019-01-01 00:09 | | Trackback | Comments(0)

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