「 来 訪 」



   とつぜん視界をかすめたもの
   心許なげに遠慮がちに
   景色に紛れていくあわいもの


   北の国ではおのれにおのれを重ね
   乱れ舞うのだと耳にする
   道を里を山を海を風を音を人を埋め


   思いのたけをはきだして
   真白にけむり真白に乱れ真白に厳しく
   おのれをおのれに舞い澄ます


   この地ではわずかの寒さに身を震わせ
   首すくめ背まるめうろたえてあれば
   そのつかのま


   なにかが溶けていく
   なにかが消えていく
   なにかが遁れていく


# by gerige-poem | 2019-01-17 18:54 | | Trackback | Comments(0)