「 器の格率 」




私たちは器である
私たちは生まれながらの器である
私たちは生まれながらに底の抜け落ちる器である
私たちは存在を漏らし続けるおかしな器である


私たちは器である
私たちは意図せぬ器である
私たちは意図せぬまま自らを底上げしてしまう器である
私たちは淫らに己を噴きこぼさずにいられない器である


私たちは器である
私たちは陳列される器である
私たちは陳列されて埃にまみれる器である
私たちは陳列される快感から逃れられない汚れた器である


私たちは器である
私たちは型に打ち抜かれる器である
私たちは型から生まれ消費されるばかりの大量模造品である
私たちは己がどのように数えられているのかすら知らぬ器である


私たちは器である
私たちは彩色される器である
私たちは彩色されなければ見えぬ器である
私たちは配色表に依存して美を嘯く器である


私たちは器である
私たちは器として現れるほかない器であり
かくも放縦に現出しなお未だ知られざる器であればこそ
かかる己を見届けるために生きぬくべき私たちは器なのである



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# by gerige-poem | 2018-11-03 10:32 | | Trackback | Comments(0)

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